無理をするのは得意(140字お題)
掌を染める赤に、もう特別な感情は湧かなかった。溢れる咳もそれに阻害される呼吸も、苦しいより鬱陶しさのほうが先に立つ。(―――まだ、)続く言葉は再び迫り上がってきた熱に掻き消され、代わりに吐き出されたのは赤い体液だった。き…
ジェオ×イーグルのSS一覧です。
たまに片方しか出て来ないものもありますが、全てのお話においてジェオイー前提となっています。
掌を染める赤に、もう特別な感情は湧かなかった。溢れる咳もそれに阻害される呼吸も、苦しいより鬱陶しさのほうが先に立つ。(―――まだ、)続く言葉は再び迫り上がってきた熱に掻き消され、代わりに吐き出されたのは赤い体液だった。き…
『湯たんぽ』の続き。 どこかで甘い香りがする。水底に沈んでいた意識が導かれるようにゆっくりと浮上するのを感じて、イーグルはふと目を開けた。緩慢に二度、三度と瞬けば、視線の先には自分の部屋ではない―――しかし見慣れた天井…
宥めるように、或いは幼子を寝かしつけるかのように額の辺りを撫でていた手が不意に離れる。その熱を追うように思わず目を開けると、ベッドに横たわる自分をすぐ傍で見下ろしていた明るい新緑の瞳が「こら」と小さく笑った。再び大きな…
白光の続き。 帰投したFTOの格納庫、コクピットハッチへと伸ばされた足場に、見慣れた大きな人影が近付いてくる。 まだコクピット内でシャットダウンの作業をしていたイーグルは、スクリーン越しにその人影を認めると琥珀の双眸を僅…
フォロワーさんの素晴らしいイーグル誕生日漫画から勝手に派生(捏造)した小話。 「その綺麗な顔と声でセックスとか言うなよ・・・」 直球で夜のお誘いをかけたイーグルに、呆れと恥じらいが入り混じったような、何とも複雑そうな表情…
『ギムレットには早すぎる』からの『逆光』からのその後みたいな。 人も獣も寝静まり、星のざわめきさえ聞こえてきそうな静寂が支配する夜。微睡むような月の光を受けて淡く輝くセフィーロ城は、どこか神聖さを纏って大地に佇んでいた。…
オートザム、深夜。 一年中暗く分厚い雲に覆われたこの国の夜には、月もなければ星もない。閉塞感すら感じる深く濃い闇の中、空洞化した惑星の内部に抱かれた金平糖のような水晶体ーーー国民の居住区であるドームが仄かに光を放ち、僅か…
フォロワー様のツイートから捏造したクリスマス?ジェオイ。 “欲しかったんだ”と、彼がそう言ったから。 ゜+.――――――――――――――――.+ ゜ 何度目かに降りたトウキョウの街は、至る所に赤と…
※『ギムレットには早すぎる』の後日談。Fate/zeroのセイバーの「滅びの華を誉れとするのは武人だけだ」って台詞が好き過ぎてクレフさんに言わせたかっただけの話。――――――――――――――――――――――― ふと。本当…
主人の意に応えるように、ジリジリと降りてくるFTOのコクピットハッチ。如何に鍛えた人間であろうと、機械の力には到底敵わない。軋みを上げる腕は限界を訴えているが、それでもジェオはこの手を離す訳にはいかなかった。「イー、グル…