それは彼女だけが知る
※『恋バナ!』の続き――――――――――――――――――――――― 「ウミは何かありました?嬉しいこと」紅茶を口に運びながら、柔らかい笑みを浮かべてそう尋ねるイーグルに、今度は海が”うーん”と唸る…
※『恋バナ!』の続き――――――――――――――――――――――― 「ウミは何かありました?嬉しいこと」紅茶を口に運びながら、柔らかい笑みを浮かべてそう尋ねるイーグルに、今度は海が”うーん”と唸る…
海とイーグルは仲がいい。ジェオとはお菓子作り仲間だが、イーグルとは恋バナ仲間といったところだ。軍属の成人男性を捕まえて恋バナとは何とも不釣り合いな組み合わせに思えるだろうが、事実、主に二人の話題に上がるのはお互いの恋人と…
「ジェオは、どうしてまだ僕の世話を焼いてくれるんですか」 「ああ?」 ベッドの上に身体を起こし、ジェオが淹れるお茶を待っていたイーグルからのあまりにも今更な問いに、思わず低い声が出る。 “永遠に覚めない眠り&…
すっかり月が昇った星空の下、動物達も息を潜め、木々のざわめきさえ聞こえない静かな夜。 セフィーロ城の一室ーーーイーグルが療養の為にと与えられた部屋で、少し落とされた照明の中、二つの人影がテーブルを挟んで向かい合っていた。…
「よぉイーグル、元気か?」 おおらかな声を響かせながら、ジェオはイーグルが”眠って”いる部屋の扉をくぐる。白を基調とした部屋の中央、円柱に囲まれ少し高くなった床の上の寝台に、イーグルの身体は横たえ…