無理をするのは得意(140字お題)
掌を染める赤に、もう特別な感情は湧かなかった。溢れる咳もそれに阻害される呼吸も、苦しいより鬱陶しさのほうが先に立つ。(―――まだ、)続く言葉は再び迫り上がってきた熱に掻き消され、代わりに吐き出されたのは赤い体液だった。き…
特に世界線が決まっていないものや現パロなど。
掌を染める赤に、もう特別な感情は湧かなかった。溢れる咳もそれに阻害される呼吸も、苦しいより鬱陶しさのほうが先に立つ。(―――まだ、)続く言葉は再び迫り上がってきた熱に掻き消され、代わりに吐き出されたのは赤い体液だった。き…
白光の続き。 帰投したFTOの格納庫、コクピットハッチへと伸ばされた足場に、見慣れた大きな人影が近付いてくる。 まだコクピット内でシャットダウンの作業をしていたイーグルは、スクリーン越しにその人影を認めると琥珀の双眸を僅…
その日、突如として”それ”は彼等の基地上空に現れた。実際にはレーダーの警戒網に引っ掛かる間もないほどの超高速で飛来してきたのだが、今の彼等にとってはもはや問題ではない。問題は、上空に留まっているそ…
何処かで蝉が鳴いている。17時を回ろうかという時間になっても真夏の空はまだ水色にしがみついていて、湿度の高い外気が肌を包んでいた。たまに吹く風も生温い。「暑いな、くそ」誰にともなく悪態をつきながら、ジェオはいつもの下校コ…