それは彼女だけが知る

※『恋バナ!』の続き――――――――――――――――――――――― 「ウミは何かありました?嬉しいこと」紅茶を口に運びながら、柔らかい笑みを浮かべてそう尋ねるイーグルに、今度は海が”うーん”と唸る…

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恋バナ!

海とイーグルは仲がいい。ジェオとはお菓子作り仲間だが、イーグルとは恋バナ仲間といったところだ。軍属の成人男性を捕まえて恋バナとは何とも不釣り合いな組み合わせに思えるだろうが、事実、主に二人の話題に上がるのはお互いの恋人と…

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白光

その日、突如として”それ”は彼等の基地上空に現れた。実際にはレーダーの警戒網に引っ掛かる間もないほどの超高速で飛来してきたのだが、今の彼等にとってはもはや問題ではない。問題は、上空に留まっているそ…

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ルンバ、襲来。

何処かで蝉が鳴いている。17時を回ろうかという時間になっても真夏の空はまだ水色にしがみついていて、湿度の高い外気が肌を包んでいた。たまに吹く風も生温い。「暑いな、くそ」誰にともなく悪態をつきながら、ジェオはいつもの下校コ…

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ギムレットには早すぎる

全ての戦いが終わり、地球からセフィーロへと帰還の途に就いたNSXの中で、イーグルは倒れた。 デボネアとの決戦の中、あの場で戦っていた者達に齎されたセフィーロの人々の祈りの力は、彼に用意された砂時計の勢いを緩めはしてくれた…

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生の涯て

「ジェオは、どうしてまだ僕の世話を焼いてくれるんですか」 「ああ?」 ベッドの上に身体を起こし、ジェオが淹れるお茶を待っていたイーグルからのあまりにも今更な問いに、思わず低い声が出る。 “永遠に覚めない眠り&…

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王子のお悩み相談室

すっかり月が昇った星空の下、動物達も息を潜め、木々のざわめきさえ聞こえない静かな夜。 セフィーロ城の一室ーーーイーグルが療養の為にと与えられた部屋で、少し落とされた照明の中、二つの人影がテーブルを挟んで向かい合っていた。…

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希望へ向かう詩譚曲

その”青”は、祝福であると同時に呪いでもあったのかもしれない。  そんなことを思いながら、ジェオは荒れた岩肌を歩いた。セフィーロを覆っていた分厚く暗い雲は嘘のように消え去り、鮮やかな青色が広がって…

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どこにもいかないで

行為の後、イーグルはいつも気を失うように眠ってしまうのが常だった。ジェオはその間にシャワーを浴び、イーグルの身体を清めて着替えさせ、その腕に抱いて共に眠る。  ・・・のだが、今日は違った。  情事の熱冷めやらぬ中、イーグ…

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めでたし、めでたし。

「よぉイーグル、元気か?」 おおらかな声を響かせながら、ジェオはイーグルが”眠って”いる部屋の扉をくぐる。白を基調とした部屋の中央、円柱に囲まれ少し高くなった床の上の寝台に、イーグルの身体は横たえ…

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